株式会社Spectee 藤田氏|AIを利用しRaaSを提供!フルリモート&働き方の自由度が高い”Spectee”

2021年9月21日 掲載

この度、株式会社Spectee 藤田氏にインタビューさせていただきました。

プロフィール

株式会社Spectee CTO 藤田 一誠 氏

1977年 福岡県生まれ

宮崎大学工学部情報工学科卒

宮崎大学大学院工学研究科 修了 工学修士

グロービス経営大学院 修了 MBA

富士ソフト株式会社にて、新規事業の立ち上げ、グループウェアの開発やLinuxソフトの開発などを担当後、ヤフー株式会社にて、ヤフーオークションの開発およびディレクション、エンターテイメント系サービス、電子書籍サービスの新規事業のディレクションを担当。2012年 ガラポン株式会社に参画し、取締役就任。2013年よりユークリッドラボ株式会社(現・株式会社Spectee)に参画。

事業概要

事業概要を教えてください。

弊社はAIを使用して「災害」「感染症」「事故」などの情報をいち早く収集し、正確な情報を提供するサービスを行っています。この防災・危機管理ソリューションをRaaS(Resilience-as-a-Service)と呼んでおり、このプロダクトを企業・自治体・府県に対し提供しています。自治体40以上、民間企業400社以上に導入いただいています。

ミッションとしては“最先端の情報解析技術で、世界のあらゆる「危機」から人々を守る”を掲げており、危機を可視化することで、安全で豊かな生活を送れる社会の創造を目指しています。

具体的には、どのようなプロダクトがありますか。

メインとなっているプロダクトとしては「Spectee Pro」があります。災害・事故発生時には、警察が到着するより先にSNS(Twitter/Instagramなど)の中で、投稿・ストーリーが上がります。現場の情報が一番早く手に入るメディア“SNS”の情報を弊社で収集します。

ただ、ユーザーがSNSを利用する際、細かい位置情報を付けることは稀です。弊社ではAIを活用し、テキスト・画像等の限られた情報から「どこで何が発生しているのか」を解析・特定しています。また、デマ情報などの不要な情報のスクリーニングなども行うことで、危機管理に必要な情報を「迅速」「正確」「分かりやすく」提供するのが弊社のサービスです。

フルリモート導入のきっかけ

リモートワークのきっかけを教えてください。

フルリモートに移行したのは、2020年2月中旬ごろです。ただ、もともと世界中の情報を取り扱っていたので、情報をチェックするチームは海外に駐在していたり、地理的に分散する形で24時間監視する環境を整えていました。会社のしくみは整えてあったので、完全リモートに移行するのは難しいことではなかったです。

フルリモートに移行する前は、オフィス・リモートは半々の割合だったのでコミュニケーションの問題も懸念されました。しかし、弊社は危機管理の情報を扱っていることもあり、コロナに感染した時の“ビジネスへのリスク”や“社員の安全な生活”を考えて、感染が大きく広がる前の早い段階で、全社員フルリモートに移行することを決めました。

相当早く意思決定をされていたのですね。
コロナ前のリモートワークは
どのような形でしたでしょうか。

コロナ前も「リモートで働きたい」という方に関しては、許可をしていました。「夏場は暑くて通勤したくない」などの意見にも「この日はリモートで働きます」と事前に申請していれば、対応していました。

リモートワークのメリット

リモートワーク導入後のメリットを教えてください。

まずは、メンバーにとって通勤のストレスが減ったことは大きいと思います。また、ご家庭を持っている方は時間のコントロールがしやすくなり、家庭と仕事の両立がしやすくなったのではないかと思っております。

エンジニアチームに関しては「仕事の合間に2・3時間、子供の送り迎えに行きたい」という要望も、その日の別の時間に抜けた時間分の勤務をしてもらえれば、叶えられます。特に申請も必要なく、Slack上で抜ける旨を伝えていただければ可能なので、かなり融通がきく働き方ができると思っています。

一般的に、お子様がいらっしゃる方だと「幼稚園・保育園の送り迎えが出来ない」「お子様が病気になった際に会社に申請を出す必要がある」などの状況に陥ることがあると思います。弊社はある程度の融通が利くので、リモートワークを導入してよかったと感じています。

生産性の変化はありましたか?

エンジニアに関しては、人によって「雑音のない場所で作業したい」という人もいます。オフィスにいると細かい仕事を頼まれたりすることもありますよね。リモートワークでは、Slack上で「後でやります」と返信するだけで、実行中の作業に集中できます。だからこそ、リモートワークにしたことで生産性は高まったのではないかと思っています。

フルリモートにおける課題と解決策

リモートワークでの課題観を感じることはありますか。

やはりコミュニケーションの面は難しいと感じています。特に弊社は、コロナ後に入社された方がたくさんいます。新しいメンバー・もともと弊社にいるメンバー双方が「顔と名前が一致しない」という状況にあるので、課題です。またオフィスであれば、営業メンバーが話しているお客様についての会話を、エンジニアメンバーが聞いて「こういったことに困っているんだな」と理解できていました。そういった雑談からのヒントが得られなくなってしまっているため、意識して情報共有する必要があります。

弊社ではこの問題に対応するために、例えばエンジニアチームだとDiscord(ディスコード)というボイスチャット用ツールを使用し、毎日15分ほど雑談する時間を作っています。他にも、営業チームが受け取ったお客様からの要望などに関しては、定期的に大きなweb会議を行うようにしています。

対面で大きいミーティングをする際は、場所や時間の確保・調整が大変ですが、オンラインであれば簡単に参加できます。他のチームの声・お客様の声に関するフィードバックのミーティングなどは、リモートの方がより簡単に、皆で情報共有ができるので効率的です。

開発環境について

開発環境を教えてください。

データを扱う裏側・解析の領域ではPythonを使っています。

また、裏側ではマイクロサービスがたくさん動いているのですが、そこではNode.jsを使用しています。フロントエンドではPHP、UIではJavaScriptですね。

基本的に言語にこだわりはなく、皆さんが一番開発が速い方法でやってもらっています。どうしても速いスピードで処理しなければならない時や画像系はC言語を使用することも多いです。

求める人物像について

カルチャーフィットするエンジニア人材について教えてください。

弊社が危機管理などを扱っているためか、「誰か困っている人の助けになりたい」と思っている方が多いです。

物腰が柔らかく、誰かのために働きたい方が多いので、そういった人材がカルチャーフィットすると思います。尖っているタイプのエンジニアも会社としては必要ですが、やはり一番は「お客様・別のチーム・市民の方々などの困っている人を、助けたい」という気持ちを持っている人材であることですね。この点は、採用時にも重要視しています。

“困っている人を助けたいと思っている人材“が集まれば、会社で働く社員にとっても心理的な安全性の高い会社になると考えています。私自身、メンバーには会社で長く働いてほしいですし、メンバー自身も業界知識が深まり、会社の価値も最大化すると思っています。

今後、一緒に仕事をしていきたい人材は
どんな人材でしょうか。

「自分自身でサービスをつくり、形にしたい」と思っている人材です。

言われたことをこなすのではなく「こういった人のために、これが作りたい」というモチベーションがある人材と仕事ができればと思っています。弊社はSE出身のメンバーが多いからか、そのモチベーションのある人が多いです。

採用における課題観

エンジニア採用で難しいと感じることはありますか。

幸い、必要なエンジニアは広告を出さなくても、応募から採用できていたので難しいと感じたことはなかったです。AIを自社サービスに活かしている会社が少ないことや、Tech系のサイトにプレスリリースが出ることも多いので、自然流入で採用できています。テレビなどのメディアに出ることも多いため、学生の方から「テレビで見たのですが、こういった研究をしているのでインターンをさせていただきたいです」と言っていただくこともあります。

これまでの募集時は人数を絞らず、応募があれば面接をして、必要な人材だと感じた場合に採用をしていました。今年もエンジニアを3・4人採用しました。

ただ、今後より多くの人数を採用する必要がある時に「タイミングよく欲しい人数の採用ができるか」については、苦戦するのではないかという懸念もあります。

今後の事業方針・採用方針

今後の事業方針・採用方針について教えてください。

弊社はSNSの情報を検証してサービス提供していますが、危機の情報はSNSに限らず沢山あります。「危機に関する情報を可視化すること」は弊社のミッションでもあるので、リアルタイムでどのようにデータを表現していくのかには、今後も力を入れていきたいです。

そのためにはデータサイエンス・エンジニアリングだけでなくUI・UXも重要になってくるため、その方面のスキルを持つ人材を採用していきたいと思っています。基本的に、社員の募集は中途採用です。ただ学生の方から有給インターンの応募も多いので、インターンの後に「継続して働きたい」方は社員として採用も可能です。


会社HP:https://spectee.co.jp/


投稿者プロフィール

柳 恭平

テックゲート運営責任者。約3年間のフリーランスの経験をしてテックゲートに参画。 営業,企画,マーケ,広報,エンジニア対応とマルチに対応。最近ではPythonを使った業務効率化する方法を習得中。

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