株式会社OneSmallStep CTO山田氏|フリーランス志望が入社するほど”面白い”人やサービスを持つフルリモート企業

2021年9月24日 掲載

この度、株式会社OneSmallStep 山田氏にインタビューさせていただきました。

プロフィール

株式会社OneSmallStep (ワンスモールステップ) CTO 山田 亜樹 氏

エンジニア歴6年目。フリーランス経験を経て2020年10月に株式会社OneSmallStepCTO就任。 物事の本質を捉え、目的から逆算し確かな技術力と行動力でプロジェクトを成功に導くエンジニア。UIUXに寄り添う開発が得意。フルリモートでノマドワークしながら海外居住地の候補探し中。

事業内容

事業内容を簡単に教えてください。

弊社は4月に創業したばかりで、フレッシュなスタートアップ企業です。事業内容として、新規WEBサービス事業のお手伝い・アプリ開発支援などを行っています。
受託開発と自社開発をメインで行っており、最近ではマッチングプラットフォーム「FLAPTALK」を作りました。現在はα版で公開していて、正式リリースに向けて開発を進めています。

「FLAPTALK」はどのようなプロダクトなのでしょうか。

Twitterのようなソーシャルネットワークとマッチングアプリを融合したようなものです。
 
匿名で、ユーザーが自分の本音を投稿形式で呟くと、共感したユーザと段階的に繋がれる仕組みで、“繋がれるけど、繋がりにくい”マッチングアプリです。

繋がれるけど、繋がりにくい・・・というと?

すぐにはマッチングできないんです。既存のマッチングサービスはすぐに繋がれてしまう・マッチしてしまうため、とても浅はかに関係性が構築されてしまうことが課題だと考えていました。
 
そこで“あえて”使い込まないとなかなか繋がれない仕様になっています。そうすれば繋がった段階で、それなりにユーザー同士の絆ができているため、比較的に質の高い関係をつくることができます。

面白いですね!まさに逆の発想ですね!
どの段階までいけば繋がれるなどの基準はあるのでしょうか。

ありますね。内部で様々なロジックがあるのですが、まずは双方が共感し合わないとスタート地点に立てないです。その後、共感し合った中でお互いのレベルが上がっていき、マックスになってやっと、メッセージを送ること・相手のプロフィールを見ることが可能になります。
 
繋がるまでは匿名投稿なので相手が誰か分からないし、なかなか繋がれないので面白いアプリだと思います。

繋がってみたら「東証一部上場企業の社長さんだった」といった可能性もありますもんね。リリースされたら、私も使ってみたいです!

そうなんです。α版のユーザーの方からも結構「本当に繋がれない!」といった声を頂いています(笑)そういった声も含めて、今リリースに向けて調整を進めています。

これまでで、繋がった方もいらっしゃるのですか?

結構いらっしゃります!面白いことに「実際に繋がってみたら、近しい人だった」という声がありました(笑)
 
ただ、今はTwitterで告知をしてα版をご利用いただいているので、ユーザーがフォロワーさんであることも一つの要因かもしれませんね。実際に公開するのが楽しみです。

本当に面白そうです(笑)
この「FLAPTALK」の先には、どのような夢があるのでしょうか?

現状の人との繋がりを改善したいと思っています。コロナ禍で出会いがない状況ですが、オンラインで質の良い出会いを探すことは難しいですよね。
 
その課題を解決し、インターネットを通して、どのような状況下でも本質的に繋がれて「未来の仲間探し」ができるアプリを目指しています。

CTOに至るまでのキャリア

まずは、入社までの経緯を教えていただいてもよろしいでしょうか。

2020年10月から株式会社OneSmallStepにジョインしました。それまでは4月からフリーランスとして、業務委託で弊社の仕事に参画していました。
 
業務委託で仕事を始めたきっかけは、私は営業をずっとTwitterで行っていたのですが、それを西(代表取締役社長)が見つけてくれたことです。

なるほど。今はCTOをされているとのことですが、それまでのキャリアをお聞きしたいです。

実は、私は異業種から転職してエンジニアになったのですが、もともとはネイリストをしていました。約7年前までのネイリスト時代は、趣味の範囲かつ独学でアプリ開発をしていました。
 
その経験があって、転職するためにシステム会社に片っ端から「やる気だけはあるので、採用してください」と電話をしていたら、1社だけ「明日から来て」という熱い社長さんに出会えたんです。そこで基礎から学んで、最終的にはネイティブアプリの開発業務に携わりました。

すごいですね!

その後もっと知識を深めたかったので、2社目はゲーム会社に就職しました。そこで経験を積んだ後、約2年ほどフリーランスを経験して今に至ります。今回は正社員として、初めてCTOをさせていただいています。

かなり異色のキャリアですよね。
趣味でネイリスト時代にアプリ開発をしていたとのことですが、どの言語でされていたのでしょうか?

SwiftでiOSのアプリ開発をしていました。当時は右も左も分からず、たまたま読んでいた書籍がSwiftだったので、それで開発していました。
 
1社目の会社もたまたまSwiftのエンジニアが欲しかったそうで、かなりラッキーな形でこの業界に入りました。

なぜSwiftだったのでしょうか?

私は少し変わっていて、小学校から趣味でホームページの制作をしていました。ネイリストとして働く中で、副業になるお仕事を探していたところ、アプリ開発に興味を持ってSwiftに決めました。業界に入った頃には、趣味のおかげである程度の基礎力がある状態でした。

フリーランスになってから、Twitterで営業をされていたとのことでしたが、どのようにされていたのでしょうか。

そうですね。基本的にTwitterは仕事の営業アカウントとして使っているので、フリーランスの業務効率化などについて書いています。
 
案件を探すときには「今こんな業務を探しています #拡散希望」と投稿していますね。フォロー・フォロワーにもエンジニアの方が多いので、その縁でご紹介してもらうことが多いですね。

それで案件を探していたら、代表取締役の西さんと出会ったんですね。

そうです。ただ実は、入社するか迷いました。いただいた条件が正社員だったのですが、私はずっとフリーランスでやっていこうと決めていたからです。

フリーランスを辞め、正社員として入社の決め手

その中で入社を決めた決め手はなんだったのでしょうか。

西さんとはそのお話を頂く前からお付き合いがあったのですが、その中で「1人目の社員が決まったよ」と連絡が来ました。その社員さんは、ITには携わってこなかった業界人ではないデザイナーさんだったんです。私はその方をすごく尊敬していて「IT業界にこの方が入ったら、イノベーションが起きる」と思うくらいに面白い方なんですよね。その方を1人目に採用した西さんって、すごく面白いなと思ったことが大きいです。
 
加えて、4月から業務委託で西さんとお仕事をさせてもらった中で、今までで1番ストレスなく連携が取れて「このお仕事がずっと続けばいいのにな」と思っていたタイミングで正社員かつCTOのお話を頂いたんです。そこで入社したいと、決意を固めてジョインしました。

ストレスのある現場とそうでない所との違いは何だったのでしょうか。

そうですね・・・私の場合は、オーバーワークをさせられたときにストレスを感じましたね。私が未熟だったこともあると思いますが、お仕事をしてきたなかで、こちらとしてはできる限りのアウトプットをしても、無理な仕事をふられた経験が多々ありました。
 
西さんとのお仕事では、そういったことが1度もなかったので、今までで1番ストレスのない関係に出会えたと思っています。

そういった体制が企業さんにもあれば、「ここなら業務委託から正社員になることも考えてみようかな」となるんですね。

そうですね。私は基本的に「新しい事に挑戦し続けられる環境」を求めていたので、フリーランスを選択していました。
 
だから自分がやりたいジャンルで営業をかけていましたが、弊社は正社員として入社しても、様々な新しい事に挑戦させていただけると感じました。これも入社の決め手の1つです。

リモートワークの難しさ

リモートワークを実際に行ったきっかけや感想をお聞きしても宜しいでしょうか。

私自身は、フリーランスエンジニアとして活動し始めた当初からリモートワークを始めました。というのも、フリーランスになったタイミングで海外に移住したんです。時差がある中でフルリモートのお仕事をするというのは、最初は連携が上手くとれず大変でした。
 
最近ではリモートワークに慣れてきたので、ストレスのない連携ができるようになってきたと感じています。

なるほど。一番苦労したのはどのような点でしたか?

そうですね。当時、月の業務時間が決められている時給制の案件を2つ程度抱えていました。
そんな中で、かなりのスピード感を求められることも多く、オフィス勤務ではできることもフルリモートでは対応が追い付かず、限界を感じましたね。

その企業の開発スタイルもありますよね。フルリモートに向いている企業はどのような企業だと思いますか?

やはり予算がある程度確保できていることと、新規サービスの立ち上げだとしても仕様・方針などが決まっている企業だと思います。
反対に、納期までの時間がきちんと確保できていない企業やプロジェクトの体制としてマネジメント担当がいない企業などは、難しいと思います。

海外でのワーケーション

先ほど、フリーランスになったと同時に海外に移住したとおっしゃられていましたが、様々な国を回られているのでしょうか?

私はもともと海外渡航が好きで、様々な国に行っています。その中でも、ニュージーランドにハマってしまって、2年ほど滞在していました。
時差も4時間程度で、リモートワークでの作業も行いやすかったです。

ニュージーランドのどういった部分にワーケーションとしての魅力を感じたのでしょうか。

自然豊かですし、国民がのんびりとしていて、自分自身も穏やかになれるような癒される国です。
 
そして実は、ニュージーランドには「BizDojo」というコワーキングスペースにぴったりな施設があるんです。一か所で契約するとニュージーランド全土で利用可能なシステムで、1か月あたり約1万2500円程度で、とても快適に過ごせます。
 
エスプレッソマシンも置いてありますし、週1回はワークスペースのメンバーで飲み会ができたり、様々なイベントもあるので現地のエンジニアとの交流機会を簡単に持つことが出来ます。日本にはない新しいコワーキングスペースでしたね。

エスプレッソ代金も含まれてその安さなのでしょうか?

そうなんです!金曜日には夕方の4時くらいから皆で飲むのですが、そのビールも無料で提供してくださるんです。
 
本当に働きやすい場所だったと思います。

リモートワークでの工夫

リモートワークを経験される中で、独自で行っている業務効率化の方法などはありますか?

私が最近、常に行っていることがあります。弊社はコミュニケーションツールとしてSlackを使用しているのですが、「私の分報チャンネル」というタイムズのようなものを用意し、ありとあらゆることを書き込んでいます。私が勝手に用意して「見てください」とお伝えしています。
 
業務の進捗や休憩・開始はもちろん、ランチの感想なども含め、オフィスでの雑談感覚で更新しています。結構、返信もくださるんですよ。「コミュニケーションツール」と「自身の業務の可視化」の目的で使っています。

なるほど、いいですね。メンバーの方からみても「山田様が何をしているのか」を理解しやすくて、とても良いと思います。

「自分が行き詰まっていること」などを書くと、アドバイスをいただけることもあります。たとえ解決できなかったとしても、書いておけば何かにつながったりするのでお勧めです。
リモートワークでは、できる限り自分の状況をアピールすることが重要だと思うので、独り言感覚で更新しています。西(代表取締役社長)からも「何をしているのか把握できるからストレスない関係ができている」と言っていただけているので、今後も続けていきたいです。

苦手な人もいますが、リモートワークにおいてはとても大事なことですよね。

そうですね。最初は、全てを浮き彫りにすることを窮屈だと感じる方もいると思います。ただ、ある程度の可視化をした方が「自分の信頼」に繋がりますね。
リモートワーク下で自分を守るためにも、いい距離感を保つためにも、行っていて良かった取り組みだと感じています。

たしかに進捗を含めた報告が少なすぎて、案件を切られているエンジニアさんもいらっしゃります。他にも工夫されていることはありますか?

あとは個人的に「どのような業務を行ったのか」を毎日記載して、月末にまとめてお送りしています。とにかく、できる限りドキュメントとして形にし、曖昧にしないようにしています。

メンタルケアについて

海外に移住している時は特に、一人暮らしの場合は孤独に感じる事もあるかと思いますが、何か気晴らしになるような取り組みはされていましたか?

まず、仕事でのストレスは常に抱えないように気を付けていて、常に誰かにZoomで相談をしていました。
 
普段のストレス解消としては、アクティブに外出をしたり現地のエンジニアとの交流をすることで、積極的に人と会うようにしていました。

人見知りされなさそうですよね。

ネイリスト時代は毎日、初対面の方と会う機会があったので、もともとは人見知りする方だったのですが、人慣れしましたね。

リモートワーク予定の方へアドバイス

リモートワークを経験してきた中で、今後リモートワークをする方へのアドバイスはありますか?

「在宅勤務はきついので、作業場所を用意すべきだ」ということを伝えたいです。毎日別の場所に通う必要はなくて、家で作業をしたい日はそれがいいと思います。
 
ただ「基本的には作業場所で行う」といった環境の変化がないと、精神的に厳しいと思います。コロナ禍でいきなり在宅ワークになった方も多いと思いますが、しんどいのではないかなと思っていました。

今後の採用方針と事業方針

年内は採用を行わないとのことですが、来年以降はどのようなエンジニアさんを採用したいですか?

自らが行動し、会社の資産を残せるようなエンジニアを採用したいです。
経験値だけを見るわけではありません。能動的に自らが行うべきことを探し、行動できる方とお仕事をしていきたいと思います。

ありがとうございます。
次に、今後の事業方針を教えてください。

「FLAPTALK」は正式リリースが迫っているので、グローバルに展開していきたいと思っていま。また、VRやARにも興味があります。
 
VRの世界で繋がれるプラットフォームということで、「FLAPTALK」のVR展開も目指して“質のいいマッチングプラットフォーム”を作っていきたいと思います。

VRは、今きていますよね。

実は、弊社はミーティングをVRで行っているんです。Oculus QuestというVRデバイスと、VRの世界で会議ができるスペースを用意し、そのダッシュボードにデザインデータなどを貼りつけて、VR会議を行っています。
 
大きいホワイトボードとそれぞれのアバターがいて、自由に行動できるので、Zoomで会議するよりもリアルにかなり近い感覚なので、今後流行るのではないかと思っています。


会社HP:https://1smallstep.jp/


投稿者プロフィール

柳 恭平

テックゲート運営責任者。約3年間のフリーランスの経験をしてテックゲートに参画。 営業,企画,マーケ,広報,エンジニア対応とマルチに対応。最近ではPythonを使った業務効率化する方法を習得中。

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