Timers CTO& 共同創業者 SHIINA |補助・イベントも多数のベンチャー企業CTOに聞く「採用要件と面接で見るポイント」

2021年9月27日 掲載

この度、Timers CTO& 共同創業者 椎名氏にインタビューさせていただきました。

プロフィール

Timers CTO& 共同創業者 | 椎名アマド(SHIINA AHMAD)氏

2009年早稲田大学国際教養学部を卒業後、株式会社DeNA に入社。モバゲースマートフォン版の立ち上げ、スマートフォンアプリ向けゲームエンジン開発マネジメントなどを担当。
2012年に同社を退社し、Timers inc.を共同創業。CTO兼プロダクトオーナーとして技術戦略、エンジニア採用、加えてアプリ事業全般のプロダクト開発戦略を統括。

事業概要

御社の事業内容について教えてください。

弊社は「Famm」という家族向けブランドとして、アプリを含めた家族向けの事業を提供しています。
 
Fammの中でも、最も力を入れているのが「家族向けモバイルアプリケーション」です。家族アプリとして、家族間で写真・動画の共有や印刷ができる以外に、オリジナルの商品を購入できる機能が揃っています。

Fammからは、他にも多様な事業を展開しています。例えば「Famm無料撮影会」は、レンタルスタジオでプロのカメラマンに撮影してもらえるサービスで、全国で実施しています。他にも、カメラマンさんとご家族をマッチングする「出張撮影サービス」や「Fammママ専用スクール」があります。ママ専用スクールは、在宅ワークを始めたいママへ向けたwebデザインを学べるオンラインスクールで、その間のベビーシッターの派遣までもサポートしています。
 
このようにモバイルアプリを中心として、オンラインとオフラインを連携させたサービスを提供しています。

ママ専用スクールを始めたきっかけは、
何かあったのでしょうか?

もともとモバイルアプリケーションのみだったのですが、「家族の課題はもっと他にもある」ということで課題を洗い出しました。その中で、家計を支える金銭的な課題の存在から生まれました。
WEBデザインは在宅ワークとの相性がいいことに加えて、ベビーシッターの派遣も融合させることで、ママにとって1番最適な形のスクールを模索して提供しています。

このアプリはいつ頃から
リリースされているのでしょうか?

1年半ほど前からですね。コロナ前は、実際に教室を借りてスクールを行っていましたが、コロナ禍でオンラインに移行しました。
 
ママにとっては移動時間などを短縮できるので、結果的に良かったのかなと思っています。

椎名さんのキャリア

CTOになるまで、どのようなキャリアを
積んでこられたのでしょうか?

大学時代からプログラミングを始め、個人的にサイトを制作したりもしていました。新卒でDeNAにエンジニアとして入社し、1年目でモバイルゲームのスマートフォン版を開発する立ち上げチームに入りました。その際、プロジェクトマネジメントの業務にも興味があったので、コードを書きながらマネジメントにも携わりました。
 
2年目にプロジェクトマネージャーとして案件に携わる中でTimersの共同創業者と知り合い、会社を始めました。起業し始めた当初は人を雇うお金もないので、とにかくコードを書いていましたね。

CTOに必要なスキルセットについて

最近ではCTO派遣サービスもありますが、
CTOになるために、エンジニア時代に
しておいた方がいい経験などはあると思いますか?

CTOは単純に自分の技術力が高いことだけではなく、ビジネスとしての意思決定ができるかどうかが大事だと思っています。
 
それは「事業を伸ばすために、どの機能をつけるか」という企画の話ではなく、「この開発プロジェクトには、工数は何日かかり、人員は何人で、単価はこのくらいだ。その場合、コストとして何円くらいかかる。そして、リターンとしてこの程度は見込める」といった考え方ができるか、ということですね。

「この機能を作ったら伸びる」というのは定量化できる一方で、開発環境の整備などは「どのくらい恩恵を受けられるのか」を定量化することが難しい。この部分を”できる限り定量化することで、非エンジニアの経営層がイメージしやすい形に翻訳すること”がCTOの役割だと思っています。
 
そして、情熱や想いも大事だと思います。時には「これを自動化しないと、競合に勝てない」といった強く熱いメッセージ・言葉遣いをすることもありますね。
 
「何円分の効果がある」とも言えない部分なので、「採用に影響がある」「エンジニアのモチベーションにも影響がある」といった、定性的メリットを伝えられるようになる必要があると思います。

技術的な面では、どのようなスキルが
必要だと思われますか?

CTOの場合、技術としては多少浅くてもいいので“広く”理解している方がいいと思います。「○○のエキスパートですが、それ以外は分かりません」という人と、色んな技術分野がある程度わかる人であれば、CTOに向くのは後者だと思います。
 
もちろん理想は広く深くなのですが、それは非常に難しいので、まずは多少浅くても広く様々な技術分野を勉強しておくことをお勧めします。

「言語を変えたほうがいい」となった時に、コードを書くこともマネジメントもできなくなってしまいますもんね。

例えば、AWSでプロダクト開発している時にCEOから「諸事情でGCPの大幅割引を入手できたので活用できないか」と言われるかもしれません。そういう時にCTOとして、活用方法を検討する能力が必要です。ちょっと割引があるからGCPにサービスを移行することは現実的じゃないので、例えば何か単発の大きな分析ワークロードをGCP上で実行してみようか、など。
 
組織としては、1つの技術に縛られると意思決定ができなくなってしまう場面があるので、“どのような状況下でもお手上げにならないようにする”という意識が重要だと思います。

リモートワークについて

現在は、組織としてリモートワークに移行されていますか?

弊社は、緊急事態宣言後からほぼフルリモートです。
開発チームの9割はずっとリモートですね。

椎名さん自体はいかがですか?

私もリモートワークです。週に1度くらい会社に行くことがある程度です。
弊社はコロナ前からリモートワークを取り入れていたので、月に1・2回はリモートワークをするような形でした。

業務効率化

リモートワークをしている中で、
業務効率化のために工夫していることはありますか?

コロナ以前から、常に「様々な証跡をオンラインで残す」ようにしていました。Slackで会話の結論をメモに残したり、ミーティング内容はドキュメントとして残すようにしています。
 
これにより、検索性がとても高まるんです。後で見返したときに、検索して解決することができるので、オンラインやオフライン関係なく対処することができます。

もう1つ大事なのは、メンバーとの心のつながりです。最低限の業務の会話しかしていない場合、リモートでは少しずつ団結力・一体感が損なわれていくように思います。
 
なので弊社の開発チームでは、任意参加の雑談タイムを毎日30分設定し、くだらない話をしたりします。あとはSlackで何気ないつぶやきもして、少しでも日々の感情をメンバー同士で共有することで、オフラインでの雑談の代わりにしています。
 
これは、巡り巡って組織力になってくると思っています。

毎日決まった時間に雑談するのでしょうか?

15時のおやつタイムの時間帯に設定しています。毎回、平均5人程度集まります。
それ以外にもオンライン飲み会を開催したり、会社としてリモートでのコミュニケーション促進を行っています。

色々な施策を行っているんですね。

そうですね。Zoomで誕生日会を開き、投票機能を使用してクイズをしたりもしていますね。
 
ちゃんとした催し物として、イベントでは司会がきちんと進行してくれます。

エンジニア採用の課題

現在、エンジニアを募集されているのでしょうか?

募集しています。弊社においては、正社員メインです。サポートが必要な時は業務委託の方にお願いすることもあります。

エンジニア採用で難しいと感じることはありますか?

今まで、採用を1から行ってきたので「技術力を見極めるための基準」はあります。
 
ただ基準を超えた人材の中での評価は、判断する難易度が高いです。「技術力はどちらも備えているけど、枠は1つ。誰にするべきか」といった場面が多く、採用において難しいと感じています。

エンジニアの採用要件

技術的な基準は、どの程度なのでしょうか?

口頭での技術面接と弊社の用意した問題でのコーディング面接で見ています。弊社のコーディング面接で特徴的なのは、「面接中に調べてもいい」ということです。
 
実際に仕事をしている時に、調べることを禁止されていることってないですよね。それと同じで、その問題を解くために必要なことを調べてもいいので、色々なツールを活用してもいいので「どのように問題を解くのか」「どのように開発を進めるのか」を見せてもらいます。

その面接だと、どの程度の割合で通るのでしょうか?

10人に4人くらいだと思います。そこを突破すれば、弊社に入るうえでの技術力に問題ないということです。だからこそ、結構厳しく見ていますね。

そこからは、何を見られるのでしょうか?

人柄とカルチャーフィットですね。私たちは、一人でコードを書くわけではなく、チーム開発していくわけなので、人としての器・謙虚さ・お互いをリスペクトできるかなどを見ていますね。
 
つまり、Googleの『Team Geek』という本に出てくるHRT(ハート)ですね。大きな開発をするときには、技術力が高い人だけではなくてH(ヒューミニティー:謙虚さ)R(リスペクト:尊敬)T(トラスト:信頼)を持っている人を採用するように意識しています。

HRTいいですね。どのような話から、
HRTの有無を確認するのでしょうか。

過去の経験のお話や「こんなことがあったら、どうするか」といった話の中で、確認していますね。例えば「仕事が出来ない人は即座にどんどん切り捨てていい」という考えの人は、弊社にマッチしないと思います。
 
ポジティブ・プラスな面では、コミュニケーション能力を見ています。新しい機能を作る中で、設計の議論も結構するんです。技術的な意思決定をする際に「この技術の場合は、このようなメリット・デメリットがある」などと話ができないとダメなので、論理的に考えて発言できる能力を見ています。

他にもありますか?

なにかプラスの要素であったり、その人の特徴かつ光るものがあるかどうかです。
 
弊社は採用募集人数も絞っているので「この人がいたから会社の技術力・組織力が一段と向上した」と思える人に、内定を出しています。

技術面とHRTの両面で、しっかりと見ているんですね。

今後の採用方針と事業展開

最後に、今後の採用方針と事業方針を教えてください。

今後も採用方針としては、技術的な基礎体力を有していることは前提として、コミュニケーション能力やチームとしての意識がある人を採用したいです。“複数人で1つのチームとなって大きなものをつくる”という事に対して、楽しく円滑に行動できる人材を求めています。
 
さらに、何か強く光るものがあれば尚良しですね。

事業方針は「Famm」というブランドで、写真や動画のみならず家庭内の「お金」「仕事」「教育」などの幅広い問題を、色々な角度から解決していきたいと考えています。
 
1つのテクノロジーの力で家族を支えていき、最終的には「子供が生まれたらまずはFammを登録する」「子育てに悩んだときも、Fammならソリューションがある」と思っていただけるプラットフォームにしたいです。


会社HP:https://timers-inc.com/


投稿者プロフィール

柳 恭平

テックゲート運営責任者。約3年間のフリーランスの経験をしてテックゲートに参画。 営業,企画,マーケ,広報,エンジニア対応とマルチに対応。最近ではPythonを使った業務効率化する方法を習得中。

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